桐野夏生『メタボラ』論-「非.男性ジェンダー化」された語り手の身体、記憶、そして家族
Published • Nov 19, 2011
NobleIDNI8P72W41R41S90
Authors:
坂元さおり
Abstract
今回のシンポジウムで、桐野夏生の作品を特に取り上げてみたいと思ったのは、「現代日本における身体表象」をめぐって、非常に刺激的で豊かな問題提起がなされているからである。例えば『グロテスク』(2003)は「東電OL殺人事件」をモデルとした作品だが、痩せさらばえ、毒々しい形相で娼婦として最低ランクの値段を自らにつける「佐藤和恵」の姿は、「男性社会の敗北者という被害者像」といった、いわゆる「男性的言説」に回収されることなく、そういった言説自体への強い問い直しとなっていることが多くの論者によって指摘されている。本発表で中心的に取り上げるのは、『グロテスク』の三年後に書かれた『メタボラ』(2006)だが、...
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