受身表現における視点人物の転換 : 夏目漱石『明暗』を通じて
Published • Sep 30, 2015
NobleIDNI2P10W19R37S02
Authors:,,
和恵 山本
カズエ ヤマモト
Kazue Yamamoto
Abstract
本稿では,小説テクストの叙述の中で受身が選択される一要因を解明するため,夏目漱石の三人称小説『明暗』を取り上げ,受身における視点人物の転換について考察した。その結果,小説テクスト内では大筋は「視点固定の原則」に基づき,中心人物を視点人物とした受身が選択される。しかし、『明暗』などの三人称視点の小説では,テクスト内で視点の移動が行われる。その際、受身の選択に周辺人物の「迷惑・恩恵」の主観的な感情表現を表す場合や,中心人物から周辺人物に視点人物を移動させて叙述の流れを変えたい場合に受身が選択されることを明らかにした。
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